農産物事業

自然薯は山芋の一種で、唯一日本原産のものです。
古くから食用としてだけでなく、漢方名では『山薬』と呼ばれ薬用としても用いられてきました。

日本原産の自然薯は、歴史も古く縄文時代から食べられていたようで書物でも記述が残されています。
有名な「平家物語」では零余子（むかご）が登場します。

また、明治時代に生物学や農学の教本が西洋から輸入されるまでは、日本史上最高峰の生物学書であり農学書であったとされる『大和本草』（1709年刊行）にも自然薯が紹介されています。

栄養価も非常に高く、特に日本人に不足しがちなカリウムや鉄分、銅などのミネラル成分、老化防止に役立つビタミンなどの栄養分を豊富に含んでいます。

◎鉄分⇒人体に必要なミネラルの一種で、赤血球のヘモグロビンに多く存在する。不足すると貧血を起こす。
◎カリウム⇒人体に必要なミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きをする。ナトリウムを排出する作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節する上で重要です。
◎マグネシウム⇒人体に必要なミネラルの一種で、リンやカルシウムとともに骨を形成する他、体内のさまざまな代謝を助ける機能を持つ。
◎ナトリウム⇒人体に必要なミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きをする。

※厚生労働省「e-ヘルスネット［情報提供］」より
※腎臓機能が低下している方はカリウム制限が必要となる場合があります。

エナジードリンクにも含まれているアルギニン。
体内のエネルギー産生をサポートし、滋養強壮の源となる存在として知られるアミノ酸のひとつです。
その効果は、成長ホルモンの分泌から筋肉増強、男性機能の改善まで多岐に渡ります。

また、アルギニンは体内の一酸化窒素（NO）産生を高めることで血流の改善を図り、生活習慣病の予防、心臓疾患のリスクを低減する効果があると考えられています。

このアルギニンが自然薯には100g当たり260mg含まれています。

ヒトの小腸まででは消化されず、大腸に届くでんぷん、およびでんぷん分解物の総称です。

NHK「ガッテン！」でも紹介されたこの注目の成分レジスタントスターチは、腸内細菌を活性化させ、便秘改善、血中コレステロールや中性脂肪の減少、血糖値の急上昇を抑制する効果も期待されています。

特に、便秘改善においては2種類の食物繊維と同じ働きを持っていることが分かりました。
ひとつは、シイタケなどに多く含まれる「不溶性食物繊維」と、ニンニクなどに多く含まれる「水溶性食物繊維」です。

不溶性食物繊維には便の量を増やす働きが、水溶性食物繊維には便のかさ（体積）を増やし、また腸内細菌のエサになる働きがあります。

この働きが違う2種類の食物繊維をバランス良く摂取することが重要となりますが、このレジスタントスターチはそれだけで2種類の食物繊維と同じ働きをしてくれるのです。

ただし、このレジスタントスターチは加熱されると量が大きく減ってしまうので注意が必要です。
この成分を存分に活かすには生で食べることをおすすめしますが、摂りすぎにも注意してください。